こんにちわ。管理人のモトキです。
登山が趣味な方は絶対好き!そうでない方も絶対納得の面白さ100パーセント!
私が読んだ山岳小説の中でもかなり面白かった本を紹介していきたいと思います。
【天空への回廊】 / 笹本稜平 / 光文社文庫
物語の舞台は標高世界一のエベレストとカトマンズ市街。そこで巻き起こる事件の緊迫感が堪りません!
エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。真木は、親友の捜索を兼ねて衛生回収作戦に参加する。ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠されていた。
引用元:笹本稜平(2004年)『天空への回廊』光文社文庫 裏表紙より
八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘。
著者プロフィール:笹本 稜平(ささもと・りょうへい)
1951年千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。2000年、『ビッグブラザーを撃て!』にて作家デビュー。’01年には『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブルで受賞した。’03年の『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。他の作品に『不正侵入』『極点飛行』『恋する組長』『マングースの尻尾』などがある。
山での出来事というよりは各国の政治的内容が多い!
山岳小説系としては事件性の高い内容が多いです。一般の登山家が通常では関わることが無いような国際的な問題に発展していきます。アメリカ、中国などの大国や不気味な秘密組織の存在が絡み合う中でクライマー達が決断し、奮闘する物語になっています。
読んでいるだけで苦しくなる・・・。
ただでさえデス・ゾーンと言われる標高8000m以上の場所まで死闘の舞台となります。
読んでいるだけで高山病の高度障害が起きているような頭痛を感じます。それだけ、読んでいる間に息継ぎを忘れてしまうんです。
8000mっていう高さは生物が生存出来ないところらしくて、何も行動してなくてもそこにいるだけで命を削られるんだって。
富士山山頂でも息があがっちゃうのに…。
凄い世界だよね。
起きた事件とは全く関係ないのに仲間がピンチに立たされ、強制的に命令に従う事になる主人公 真木郷司。親友や大切な人、登山仲間の安否を考えながら行動する彼の苦悩はどれほどなのか?
長編小説ですが、十七章で編成されている為、場面への切り替えが早く、色んな場所で起こるそれぞれの問題に入り込みやすいです。わからなくなった時にも同様に振り返りに戻りやすく、何が起きたかを確認しやすい作品だと思います。
「息あるかぎり、希望あり」
引用元:笹本稜平(2004年)『天空への回廊』光文社文庫 pp.407-408より
これは中々聞かない名言でしたので抜粋させて頂きました。
ネパールのことわざらしいですが、ヒマラヤがある場所らしいことわざですよね。
大体、意識も遠くて喋ることも出来ない状態じゃ、普通諦めるじゃないですか?『息あれば〜』ってwww
まとめ
1度登るだけでも死亡リスクがあるエベレストに何度も立ち向かう姿に注目してください。
親友を救助するためだったり、事件の真相を知る為だったり。
山は神聖な場所だということから武器はあえて使わず、標高8000m(デス・ゾーン)の環境を利用して戦う姿勢は登山家の心と技術が滲み出ている所でとても面白いです。
結末まで目の離せない展開が続きますので是非!読んでみて下さい。
コメント